Loading...

result

レース結果ご報告

2025 KYOJO CUP 第1戦 レース結果のご報告

【KYOJO CUP 第1戦 参戦報告|富士山静岡レーシング】

2025年5月10日(土)〜11日(日)にかけて、富士スピードウェイで開催された「KYOJO CUP 第1戦」に、富士山静岡レーシングはドライバー・細川由衣花選手とともに参戦してまいりました。

KYOJO CUPは、女性ドライバーのみで競われるレースシリーズで、「スプリントレース」と「決勝レース」の2本が行われるのが特徴です。
そのスタート位置を決めるために、レース初日の午前には「公式予選」と呼ばれるタイム計測が行われ、ここで記録したタイムが午後のスプリントレースの並び順に反映されます。そしてスプリントレースの順位によって、翌日行われる決勝レースのスタート位置が決定します。
つまり、土曜午前の予選 → 午後のスプリント → 日曜の決勝と、3本の走行を通じて1つの戦いが進んでいく構成になっています。
今回は、富士山静岡レーシングとしても初の本格参戦。予選・スプリント・決勝と、それぞれにさまざまなドラマがありました。

【レース結果まとめ】
▶︎公式予選(5月10日 午前)
・形式:20分間のタイムトライアルで1周のベストタイムを競う
・結果:15位
→ 午後のスプリントレースは15番グリッドからスタート

▶︎スプリントレース(5月10日 午後)
・形式:10周のレースで着順を競う
・スタート順位:15位
・結果:20位(完走扱い)
→ 他車にペナルティがあったため、決勝は17番グリッドからスタート

▶︎決勝レース(5月11日)
・形式:12周のレースで着順を競う
・スタート順位:17位
・結果:16位完走
→ トラブルを乗り越え、粘り強い走りで1つポジションアップ!

【公式予選】

5月10日(土)の午前、KYOJO CUP第1戦の公式予選が富士スピードウェイで行われました。
この予選で記録したタイムによって、午後のスプリントレースで何番目からスタートできるかが決まります。まさに、午後のレースに向けた“スタート位置を争う戦い”です。
予選は20分間で、ドライバーたちはその時間内にコースを何度でも走り、1周のタイムが最も速かったドライバーから順にスタート位置が決まります。
この日は前夜の雨の影響で路面が濡れており、全車が雨用の「レインタイヤ」を装着しての走行となりました。
濡れた路面では、前を走る車が巻き上げる水しぶきによって視界がほとんど見えなくなることもあります。細川由衣花選手も、序盤は前方の視界が悪い中での走行となり、なかなか思うようなタイムを出すことができない厳しい状況が続きました。

そんな中、細川選手は冷静に状況を見極め、4周目の途中でいったんピット(車両整備エリア)に戻る判断を下します。

このピットインは、タイヤ交換や修理のためではなく、前の車との間隔を空けて、視界がクリアな状態で再挑戦するための“作戦”でした。
雨の中では、前に誰もいない状態で走るほうが良いタイムを出せることが多く、この判断は非常に的確だったといえます。

ピットから再びコースに戻った細川選手は、落ち着いた走りで後半にタイムを縮め、最終的には全10周を走行し、15番手のタイムを記録しました。

この結果により、午後のスプリントレースでは15番グリッド(15番目のスタート位置)からのスタートとなりました。

【スプリントレース】

5月10日(土)の午後、KYOJO CUP第1戦のスプリントレースが開催されました。
このレースは全10周で行われ、その順位が翌日に行われる決勝レースのスタート位置に反映される、大事なレースとなります。

レース前には「グリッドウォーク」と呼ばれる特別な時間が設けられ、スポンサーの皆さまやファンの方々がスタート位置に並んだマシンのすぐ近くまで足を運び、選手に直接声をかけられる貴重なひとときがありました。細川由衣花選手も、リラックスした笑顔で、落ち着いた様子でレースに臨んでいました。

レースでは、予選15位の結果により、15番目のスタート。序盤はやや順位を落とす場面もありましたが、細川選手は冷静に周囲の動きを見極めながら走行を重ね、ミスをする車両を確実に捉えて、終盤には13位まで浮上する力強い走りを見せました。

しかし、あと数周を残した第1コーナーでアクシデントが発生。後方を走っていた車両がブレーキ操作を誤り、細川選手のマシンの右後方に接触。車体が一瞬浮き上がるほどの強い衝撃を受け、スピンしてしまいました。マシンは大きなダメージを負い、その場で止まらざるを得ず、レースを最後まで走り切ることはできませんでした。

ただし、レース中に定められた規定の周回数を走行していたため、ルール上は「完走扱い」となり、最終順位は20位となりました。

このアクシデントによるダメージは大きく、決勝レースへの出走が危ぶまれる状況となりましたが――
その後のドラマは、翌日の決勝レースで明らかになります。

【決勝レース】

5月11日(日)、富士スピードウェイで開催されたKYOJO CUP第1戦の決勝レースに、富士山静岡レーシングの細川由衣花選手が出走しました。

決勝は全12周で順位を競うレース。細川選手は17番手グリッドからのスタートでした。これは、前日のスプリントレースで不運にも最後尾となったものの、他車にペナルティがあったためスタート位置が繰り上がった結果です。

実はこの決勝、出走できるかどうかすら危ぶまれる状況からのスタートでした。

前日のスプリントレースで他車と接触し、細川選手のマシンは大きなダメージを受けてしまったのです。しかし、メカニックの方々が遅くまで――なんと夜11時近くまで!――懸命に修復作業にあたってくださり、見事にマシンをレースに間に合わせてくれました。まさにチーム全員の努力によってつながった「スタートライン」でした。

当日は快晴で、路面も乾いた「ドライコンディション」。タイヤは全車共通で、スリックタイヤ(晴天用タイヤ)が使用されました。

レース序盤は、なかなかペースが上がらず苦しい展開でしたが、細川選手は徐々に調子を取り戻します。中盤には他車を追い抜くシーンもあり、前を行く車との距離をじわじわと詰めていきました。
そして終盤には、自己ベストタイムを更新しながら力強く走り続け、まさに集中力と粘りのレースを展開しました。

最終的に、細川選手は全12周を走り切り、16位で完走。スタートから1つポジションを上げてのフィニッシュでした。

レースに出られるかどうかも分からない状態から、チーム全員でつかみ取った完走。ドライバーの走りだけでなく、支える人たちの力があってこそ成し得た結果です。

次戦では、さらに上を目指してまいります。
引き続き、あたたかいご声援をよろしくお願いいたします!

【ドライバー細川由衣花選手のコメント】
今回のレースでは悔しさもありましたが、それ以上に「まだまだ成長できる」と強く感じられる開幕戦となりました。
初めてのフォーミュラレースを通して得た経験を糧に、次戦ではもっと自分の力を発揮し、応援してくださる皆さんにもっとワクワクしてもらえるレースをお見せしたいと思っています。
家事・育児・仕事と両立しながらにはなりますが、日々精進して、さらなる高みを目指していきます!

gallery
PAGETOP