【KYOJO CUP 第3戦 参戦報告|富士山静岡レーシング】
2025年8月16日(土)〜17日(日)にかけて、富士スピードウェイで開催された「KYOJO CUP 第3戦」に、富士山静岡レーシングはドライバー・細川由衣花選手とともに参戦してまいりました。
KYOJO CUPは、女性ドライバーのみで競われるレースシリーズで、「スプリントレース」と「決勝レース」の2本が行われるのが特徴です。
そのスタート位置を決めるために、レース初日の午前には「公式予選」と呼ばれるタイム計測が行われ、ここで記録したタイムが午後のスプリントレースの並び順に反映されます。
そしてスプリントレースの順位によって、翌日行われる決勝レースのスタート位置が決定します。
つまり、土曜午前の予選 → 午後のスプリント → 日曜の決勝と、3本の走行を通じて1つの戦いが進んでいく構成になっています。
【レース結果まとめ】
▶︎公式予選(8月16日 午前)
・形式:20分間のタイムトライアルで1周のベストタイムを競う
・結果:17位
→ 体調不良を抱えながらも集中した走りで予選17位、成長を示しつつ午後のレースへ挑む。
▶︎スプリントレース(8月16日 午後)
・形式:10周のレースで着順を競う
・スタート順位:17位
・結果:11位完走
→ トラブルや雨の波乱を乗り越え果敢に攻め抜き、スプリントレースを11位でフィニッシュ。
▶︎決勝レース(8月17日)
・形式:12周のレースで着順を競う
・スタート順位:11位
・結果:12位完走
→ 決勝で粘り強く走り抜き12位フィニッシュ、着実に順位を伸ばしTOP10入りへ一歩前進。

【公式予選】
8月16日(土)午前、富士スピードウェイでKYOJO CUP第3戦の公式予選が行われました。
当日は夏空が広がり、路面も乾いた良好なコンディション。各ドライバーは「スリックタイヤ」と呼ばれる晴れ用のタイヤを装着し、午後に行われるスプリントレースのスタート位置を決める大事な走行に挑みました。
予選は20分間で行われ、その間に走った周回の中で「1周あたりの最速タイム(ベストラップ)」を記録した順で、次のスプリントレースのスタート位置が決まります。
短い時間の中でどれだけ集中してベストな1周で走れるかが勝負のカギとなります。
富士山静岡レーシング #12 細川由衣花選手は、前日の練習走行から体調が優れず、本来3本予定されていた練習走行のうち2本をキャンセルして臨む厳しい状況でした。
限られた走行時間の中で、自分にできる走りを丁寧に積み重ね、集中力を切らさず予選に挑みました。
結果は17位。順位だけを見れば前回大会の予選順位より下がってしまいましたが、トップとのラップタイム差(1周にかかる時間の差)は確実に縮まっており、細川選手自身の成長を感じさせる内容でした。
ただ同時に、ライバルたちも着実に力をつけてきており、全体のレベルがさらに上がっていることを実感する予選でもありました。
午後のスプリントレースへ向けて、気持ちを切り替え挑みます。
【スプリントレース】
8月16日(土)午後、富士スピードウェイでKYOJO CUP第3戦のスプリントレース(全10周)が開催されました。
このレースは予選で決まった順位からスタートし、その結果が翌日の決勝レースのスタート位置に反映される大切な一戦です。
富士山静岡レーシング #12 細川由衣花選手は、予選17位からのスタート。
スタート直後にシフトアップがうまくいかないというマシントラブルに見舞われ、いったんポジションを落とします。
しかし冷静さを失わず、すぐに抜かれた車両を抜き返すと、強気な気持ちで前の車両とのバトルにも挑み、少しずつ順位を上げていきました。
中盤になると、雨脚が強まりトップ集団の数台がスピンする波乱の展開に。
レースは赤旗(赤旗はレース中断の意味)で一時中断となり、全車両が同じタイヤで走るというKYOJO CUP特有のルールに基づき、再開時のタイヤ選択(スリックのままか、全車レインに変更か)が協議されました。
最終的には「雨が弱まる」との判断で、全車スリックタイヤのまま再スタートが切られました。
こうした中断の時間も、マシンの中で集中力を切らさないことがドライバーに求められる大事な戦いです。
再スタート後は、前方の車両を追いながらも、アクシデントで順位を落とした速いライバルたちに追い上げられるという難しい状況に。
それでも細川選手は果敢に攻め、終盤には激しい接近戦を展開しました。
迎えた最終ラップ、1コーナーでは3台が横一線で並ぶスリリングな場面に突入。
その中でも、細川選手は横並び3台の中の真ん中という最もリスクの高い位置にいながらも、得意のブレーキングで見事にこのバトルを制し、13位でチェッカーを受けました。
その後、前方車両へのペナルティもあり、正式結果は11位。困難な状況の中でも冷静さと強気の走りを見せ、翌日の決勝へとつながる価値あるレースとなりました。



8月17日(日)、富士スピードウェイでKYOJO CUP第3戦の決勝レース(全12周)が開催され、富士山静岡レーシング #12 細川由衣花選手がスプリントレース11位の結果を受けて11番手から出走しました。
スタート直後は落ち着いて混乱などにも巻き込まれずにスタート。
1周目最終コーナーで追い抜かれ12位に後退しますが、直後の1コーナーでは抜き返し、さらに前方のスピン車両を冷静に交わして一時10位に浮上します。
ところがその後、永井選手・翁長選手・齋藤選手と、シリーズランキングの上位にいる選手が後方から追い上げてくる展開となり、4周目には13位へポジションを落としました。
粘りの展開となる中、6周目のヘアピンカーブで、わずかなミスを突かれ14位に。
しかし7周目には前方のスピンを冷静に回避し13位に戻すと、その後は粘り強く前を追い続けます。
終盤の11周目にも前方車両のスピンがあり、順位をひとつ上げて12位に。
後ろから速いライバルに迫られながらも前を追いかけるという精神的にも難しいレースとなりましたが、最後まで自分の走りを続け、最終的には12位でチェッカーフラッグを受けました。
開幕戦16位、第2戦14位、そして今大会12位と着実に前進しており、チームの目標である「TOP10入り」も見える位置に近づいてきました。
ただ、今大会で、周りのライバルたちの成長も感じ、ここから前の集団に食い込むのは、簡単な戦いではないなと実感した一戦でもありました。
次戦に向けて万全の準備を整え、細川選手と富士山静岡レーシングはさらなる飛躍を目指します。

【ドライバー細川由衣花選手のコメント】
応援してくださった皆様、今回も本当にありがとうございました。
体調が万全ではなく厳しい予選となりましたが、スプリント・決勝では攻めの走りを意識し、粘り強く戦うことができました。
特に最終ラップのバトルやスピン車両を冷静に避けられた場面は、自分の成長を感じることができました。
まだ課題は多いですが、開幕戦から少しずつ順位を上げられていることが大きな自信につながっています。
次戦こそトップ10入りを目指し、全力で挑みますので、引き続き応援よろしくお願いします!